消費者は生命保険に自分の生命と身体を、保険会社にお金と年月を預ける。それだけに
生命保険会社の社会的責任は、単なる金融機関という以上に重い。
私達はこれまで銀行も生命保険会社も、同じように信頼してきた。たった一冊の預金通
帳や紙ぺら一枚の保険証券に、生命の次に貴重な財産を預けてきた。
ところがここにきてその信頼は根底から覆させられ、最後の頼みの綱の政府でさえ、問
題は常に先送りして傷を深くし、破綻しないような根本的な対策も立てないどころか、混
乱や被害が起きても責任をとらない。
政府のいう二〇〇一年のビッグーバンなど待たなくても、金融・経済全体がすでに破裂
し始めている。特に生命保険業界は、破綻会社が今後も続き、混乱するだろう。
そこで政府が無為無策無責任なら、生命保険会社は政府よりも国民の方に顔を向けて、
本当に国民の福祉推進のりIIダーとなってもらいたい。さもなければ近い将来に、消費者
には絶対にそっぽを向かれ、カタカナ系や外資系生保の攻勢に押し潰されるだろう。
消費者に信頼される生命保険会社の条件をあげておく。
⑩粉飾のない、経営内容の情報開示(ディスクロージャー)は、絶対条件だ。経営内
容の良し悪しも、経営改善する努力があれば、数字でわかる。
② 情報開示には、裸(カサ上げしない)のソルベンシー・マージンを定期的に開示す
る。新保険業法改正に伴って正式に採用された新ソルベンシー・マージンは経営実態
を知る基準にはならない。ソルベンシー・マージン(表の理解の仕方)は、第14項に
掲載してある。
③「はじめに商品ありき」の販売戦術はやめて、消費者の要求通りの商品を販売する。
④ 現在のように、種類によっては単体商品の販売を制限していることをやめる。
⑤「更新型」よりも、「全期型」の販売を促進する。それによって現行のような既契約
者の要求もないのに「転換」を勧める販売方法を、やめる。
⑥ 組み合わせ保険の存在を否定するものではないが、それを「主力商品」とする販売
戦略は絶対にやめる。
⑦ ③~⑥のため、セールスーレディを根本的に再教育し、消費者本位の精神を養う。
③ 資金運用の専門家を強化し、粉飾のない配当率を各社で競う。
顧客あっての生命保険業であることと、初心に帰って再出発する勇気を持ってほしい。
消費者も、いまは猛烈に勉強している。保険会社だけがその時流に乗れないのならば、
その会社の暗い将来は、約束されている。